計数機・パーツカウンターとは/あるあるQ&A【完全ガイド2025年版】計数機ってなに?どんな仕組みなの?正確なの?

計数機・パーツカウンターとは/あるあるQ&A【完全ガイド2025年版】計数機ってなに?どんな仕組みなの?正確なの?

出荷現場のカウント作業
出荷現場のカウント作業

目次

  1. 基本編:計数機・パーツカウンターの基礎知識
  2. 精度編:カウント精度に関する疑問
  3. 技術編:制御精度と認識精度について
  4. 材質・形状編:対応可能なパーツについて
  5. 機種選定編:最適な機種の選び方
  6. 導入編:テストから導入まで

基本編:計数機・パーツカウンターの基礎知識 {#基本編}

Q1. 計数機とパーツカウンターの違いは何ですか?

A: 基本的に同じ装置を指しますが、使用される業界や文脈によって呼び方が異なります。

CCDカメラ式画像処理型パーツカウンターVC-200型
CCDカメラ式画像処理型パーツカウンターVC-200型
2方向ミラー分光画像処理型カメラ式パーツカウンター

Q2. パーツカウンターの仕組みを教えてください

A: 現代のパーツカウンターは主に以下4つの技術で構成されています:

カメラ式パーツカウンターの基本構造
カメラ式パーツカウンターの基本構造
  1. 供給部:振動フィーダーで部品を整列・供給
  2. 検出部:CCD/CMOSカメラで落下する部品を撮影(シャッタースピード12,000回と33,000回/秒)
  3. 制御部:AIが画像認識して個数をカウント
  4. 排出部:設定個数に達したら排出

精度編:カウント精度に関する疑問 {#精度編}

Q3. カウンターの精度はどのくらいですか?

A: 被計数物によって異なりますが、**99.8~99.93%**の範囲です。

精度に影響する要因

要因 影響度 対策
パーツの形状 AI学習による最適化
材質(付着性) フィーダー表面処理
重量 振動調整
色・透明度 専用カメラ使用

Q4. どのくらい多目(オーバーカウント)になりますか?

A: オーバーパッキングは**0.07~0.2%**の範囲で発生します。

具体例:

  • 1000個設定時 → 1000~1002個
  • 500個設定時 → 500~501個

Q5. 99.8%精度の正しい理解とは?

A: よくある誤解を解説します:

❌ 誤解:500個を1000回カウントしたら、998回が正確で2回だけ501個になる

⭕ 正解:1回のカウント作業での精度を示します。実際には501個が5~6回発生する可能性があります。

【1000回カウントした場合の分布例】

500個ちょうど:約980回

501個:約15-18回

502個:約2-5回

Q6. オーバーカウントの設定・制御は可能ですか?

A: はい、可能です。以下の2つの方法があります:

  1. オーバーカウント許容値の設定
    • 例:500個+2個まで許容
  2. NGイジェクトコンベヤの使用
    • 503個をNG側に自動排出
    • ただし、オーバー分の「3個だけ」を排出することはできません
NGイジェクトコンベヤ
NGイジェクトコンベヤ

【NGイジェクトコンベヤ搭載CCDカメラ式画像処理型パーツカウンターVC-200型】

Q7. 「100個カウントでマイナスゼロ、オーバー400回に1回」という仕様は可能ですか?

A: カメラ式パーツカウンターでも大変困難です。

理由:

  • 100%精度は物理的に保証できません
  • NGイジェクトコンベヤを使用しても完全制御は不可能
  • 制御精度と認識精度の両方を100%にすることは現実的に不可能

技術編:制御精度と認識精度について {#技術編}

Q8. 制御精度と認識精度の違いを教えてください

A: パーツカウンターには2つの重要な精度概念があります:

制御精度と認識精度の関係図

制御精度と識別精度との相関図
制御精度と識別精度との相関図

【制御精度】

振動フィーダー上での

パーツの動き制御

付着性が高い → 制御困難

跳ねる → 制御困難

逆走する → 制御困難

【認識精度】

カメラによる

画像認識の正確さ

重なり → 認識困難

向きの歪み → 認識困難

透明・半透明 → 認識困難

重なったボルトのシルエット画像
重なったボルトのシルエット画像

【総合精度】

制御精度 × 認識精度 = 実際の計数精度

Q9. 制御精度と認識精度はどうやって分かりますか?

A: テスト機による実証試験で検証します:

  1. 原料投入テスト:実際のパーツを流す
  2. AI学習:100~500個でパターン学習
  3. 精度測定:目標値の10倍以上でテスト
  4. データ分析:ヒストグラムで可視化
CMOSカメラによる学習ヒストグラム
CMOSカメラによる学習ヒストグラム
学習ヒストグラム
CCDカメラ式による学習ヒストグラム

Q10. 振動の直線性がカウンターになぜ必要なのですか?

A: パーツの動きを自動車の運転に例えると理解しやすいです:

【理想的な動き】

発進(振動開始)

加速(振動強)

巡航(安定供給)

減速(振動弱)

停止(目標値到達)

 

【問題のある動き】

・急発進・急停止

・速度の不規則変化

・逆走

→ 正確なカウント困難

樹脂やゴムは振動の直線性確保が難しいため、コンベヤ搭載型を推奨します。

Q11. 振動フィーダーにブレーキ機能はありますか?

A: 残念ながら振動フィーダーに物理的なブレーキはありません。

制御方法:

  • 電圧を下げて振動を弱める
  • 慣性の法則により完全停止は困難
  • そのため「制御精度」の向上には限界があります

材質・形状編:対応可能なパーツについて {#材質形状編}

Q12. パーツの材質は何でも良いですか?

A: 基本的に何でも可能ですが、材質により適した機種があります:

材質 特性 推奨機種
金属 重量あり、振動直線性良好 標準型(コンベヤ型)
樹脂 軽量、突起物、不規則形状 コンベヤ型
ゴム 柔軟、振動吸収 コンベヤ型・VST型
半透明体 光透過性あり 専用カメラ型

Q13. 樹脂とゴム製品の計数における課題と対策

A: 計数は可能ですが、以下の対策が必要です:

樹脂パーツの特徴と対策

  • 課題:突起物、重心の偏り、軽量で剛性なし
  • 対策:コンベヤ搭載型で安定供給

ゴム製品の特徴と対策

  • 課題:振動吸収、付着性
  • 対策:特殊表面処理、VST型の採用
コンベヤ搭載型VC200型フィーダーの後にコンベヤ
コンベヤ搭載型VC200型フィーダーの後にコンベヤ

機種選定編:最適な機種の選び方 {#機種選定編}

Q14. うちのパーツがカウントできるか確認する方法は?

A: 以下の情報をご提供ください:

必要情報チェックリスト

  • パーツの写真・図面
  • 材質・寸法・重量
  • 現在の作業方法と人数
  • 希望カウント数(例:10万個を1万個×10)
  • 投入方法(手動/自動)
  • 排出方法(コンテナ/包装機)
  • 現在の問題点
  • パーツの特性(付着性など)

Q15. VC型とVST型の違いは何ですか?

A: 内部構造が全く異なります:

機種比較表

項目 VC-200型 VST型
適合パーツ 全般(カスタマイズ可) 全般または小型・軽量パーツ
精度 同じ 同じ
処理速度 高速 中速
制御方式 振動制御 チャンネル分散
価格帯 標準 やや高め
VSTの丘上フィーダーとコンベヤ上のチャンネル構造
VSTの丘上フィーダーとコンベヤ上のチャンネル構造

[VST型の内部構造]

Q16. コンベヤ搭載型と通常型の違いは?

A: コンベヤの有無とそれに伴う特性の違いです:

【通常型VC-200】

振動フィーダー → カメラ → 排出

・金属部品に最適

・高速処理可能

 

【コンベヤ搭載型VC-200】

振動フィーダー → コンベヤ → カメラ → 排出

・樹脂/ゴム製品に最適

・安定した制御精度

導入編:テストから導入まで {#導入編}

Q17. カウンターのAIは何をしていますか?

A: AIは主に3つの高度な処理を行っています:

  1. 画像認識学習
    • 重なり合いパターンの識別
    • 角度による見え方の違いを学習
    • 100~500個の学習で最適化(GEN型のみ1000個から5000個)
  2. <b供給速度制御(GEN型のみ)
    • 1秒間の目標個数に向けて自動調整
    • アクセル操作の最適化
  3. 予測制御
    • 慣性を考慮した停止タイミング
    • オーバーラン防止

Q18. 学習ヒストグラムとは何ですか?

A: パーツの特徴を視覚化したデータです:

山の左麓が乱雑な学習ヒストグラム:見る角度で小さく見えるのか、ゴミが多いのか?
山の左麓が乱雑な学習ヒストグラム:見る角度で小さく見えるのか、ゴミが多いのか?

【ヒストグラムが示す情報】

・パーツのサイズ分布

・ゴミやホコリの有無

・見る角度によるシルエット画像の差

・認識しやすさの評価

・最適な閾値設定

・予測精度の事前確認

すべての機種が学習ヒストグラム機能を搭載しています。

Q19. 学習データは何個登録できますか?

A: 理論的には数万個の登録が可能です。

Q20. メンテナンスは何が必要ですか?

A: 基本的にメンテナンスフリーです:

定期メンテナンス項目

頻度 作業内容 所要時間
日常 清掃のみ 5分
月次 キャッシュ削除 10分
数年後 キャリブレーション 30分

Q21. カメラの設定は難しくないですか?

A: 初期設定は専門知識が必要ですが、再設定はほとんど不要です。

設定が必要な場合:

  • 地震等の影響
  • 大幅な環境変化(照明など)

追加Q&A:よくある疑問と実践的回答

Q22. 導入による投資回収期間(ROI)はどのくらい?

A: 一般的に1.5~2年で投資回収可能です:

ROI計算例(年間)

【削減効果】

人件費削減:400万円(作業員1.5名分)

不良品削減:150万円(精度向上)

生産性向上:200万円(稼働率向上)

─────────────

合計削減額:750万円/年

投資回収タイムライン
投資回収タイムライン

【投資額】

設備費:1,000万円と仮定

÷750万円 = 約1.3年で回収

【投資回収タイムライン】

Q23. 透明・半透明のパーツは計数できますか?

A: 専用カメラと照明により対応可能です:

対応方法:

  • 特殊波長カメラの使用
  • バックライト照明
  • コントラスト強調処理
ポリカーボネート半透明体のカウント
ポリカーボネート半透明体のカウント

Q24. 付着性の高いパーツへの対策は?

A: 複数の対策を組み合わせて対応します:

  1. 表面処理
    • テフロンコーティング
    • 表面サンドブラスト処理
    • 高摺動性アルマイト処理
  2. 機種選定
    • VST型(チャンネル分散式)
    • コンベヤ搭載型

Q25. 多品種少量生産に対応できますか?

A: 品種切り替えが容易で最適です:

切り替え作業:

  1. タッチパネルで品種選択(10秒)
  2. テストラン(30秒)
  3. 生産開始

 

Q26. 導入前のテストは可能ですか?

A: 無料サンプルテストを実施しています:

テストの流れ:

  1. サンプル送付(100~500個または目標生産値の10倍)
  2. テスト実施(1~2週間)
  3. 結果報告書・動画提供
  4. 最適機種のご提案

まとめ:最適なパーツカウンター選定のポイント

成功導入の3つのステップ

導入のプロセス
導入のプロセス

導入成功のチェックポイント

導入のプロセス-3ステップ
導入のプロセス-3ステップ

✅ パーツの特性を正確に把握 ✅ 必要精度と処理速度の明確化 ✅ 投資対効果の事前計算 ✅ メンテナンス体制の確認 ✅ 将来の品種追加への対応

お問い合わせ

株式会社松楽産業では、60年以上の経験と実績に基づき、お客様に最適なパーツカウンターをご提案いたします。

無料サンプルテスト受付中

本資料は2025年9月現在の情報です。仕様は予告なく変更される場合があります。

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