パーツカウンターの選び方-ポストコロナの数を数える悩み(1)

数を数える悩み

パーツカウンターの選び方-ポストコロナの数を数える悩み1) 部品の数え方あるある

パーツカウンター(ビジョンカウンター)

 コロナ以降人手不足が逼迫し、製品の出荷が重量より「数」を求められるようになってきました。この要因で数を数える「パーツカウンター」が生産現場で必須となりつつあります。
 部品カウント作業の負担が大きいのを解消する。
 従業員の業務レベルの向上が難しいのを機械に置き換える。
 物流工程における過数出荷、誤出庫防止が困難なため、少しでもヒューマンエラーを減らす。
それではパーツカウンターとはどういうものかを見ていきましょう。
|パーツカウンターの種類
● 光センサ型パーツカウンター
光センサ型パーツカウンターは落下するパーツが光の軸を遮ることで「1個」とカウントします。4ミリくらいのパーツであれば、2個重なったパーツを「1個」とカウントします。パーツとパーツの距離が必要です。光センサ型は価格が比較的低いのが最大のメリットです。パーツは4ミリ程度なら1秒間に4個はカウントできますが、重なったパーツ、くっついたパーツを「1個」とカウントしてしまいます。パーツの供給にボールフィーダーを使うので、品種の数が少ない現場や単価の低いパーツに向いています。

光センサ型の構造

●光膜センサ型パーツカウンター
光膜センサ型パーツカウンターは落下するパーツが光の膜を遮ることで「1個」とカウントします。パーツが膜から完全に出ないと「1個」とカウントできません。レゴのように横に長いもの、形状が歪であってもカウントできるのが特徴です。そのため光の軸から外れるような形状のパーツ、細長いパーツ等に向いています。価格が比較的リーズナブルなのと光センサ型より多くの品種をカウントできます。重なったパーツ、つながったパーツを「1個」とカウントしてしまいます。

光の膜をさえぎることでカウントします。

CCDレーザ型パーツカウンター
レーザ変位センサは三角測距方式で落下するパーツの形状や寸法を読み取り、画像処理のアルゴリズムでナンバリングしています。比較的高速で処理できます。CCDレーザ型は一度に複数のパーツを高速でカウントできます。ホコリもカウントしてしまうため、ホコリが少ないパーツであることが条件です。分解能は3~4ミリ以上です。

レーザーセンサの方式

カメラ式パーツカウンター:ビジョンカウンター
2種類あります。CCDラインスキャンカメラCMOSラインスキャンカメラです。カメラ式は基本的に落下するパーツの「シルエット」を画像処理してナンバリングします。CMOSタイプは1秒間に33,000回のシャッタースピードを持ち、分解能が65.5ミクロンと微細です。CCDタイプはシャッタースピードは約12,000回で分解能は150ミクロンです。

カメラは線で見ています。

CMOSタイプ:2方向ミラー分光画像処理型カメラ式パーツカウンターGEN型です。落下するパーツを1つのカメラが2方向から見て画像処理します。従来重なったパーツを正確に2個と判断できます。内藏フィーダーは1本です。

CMOSンカメラ搭載GEN型
1つのカメラが分光して2方向ら見ます。

CCDタイプ:4台フィーダー内藏ビジョンカウンターVC-200型です。姿勢制御スロープにパーツを落として、パーツの姿勢を安定させて画像を捉えます。5ミリ以上の大きなパーツで4台のフィーダーで流した方が制御しやすいパーツに向いています。

4台の振動フィーダー搭載VC-200型
画像を安定させるための姿勢制御スロープ。

|パーツカウンターの選び方のポイント
パーツカウンターはその能力に差があります。ご予算と使い方によってパーツカウンターを選びます。
● 何をカウントするか?
カウント対象によってカウンターを選択します。

タブ端子をVC-200型でカウント。

何個に小分けするのか?

比較的1個~10個等の数の少ないカウントには光センサ型や光膜センサ型が向いています。ちょんちょんとパーツ落とすだけです。他のパーツカウンターが数の少ないものが出来ないわけではありません。被計数物によります。上手に制御できればスワロフスキーのようなジュエリーパーツは「GEN型」パーツカウンターで5個、19個等のカウントが可能です。
カメラ式のパーツカウンターは比較的数が多いカウントに適しています。

微小なフェライトビーズ

● 欲しいカウントスピードは?
光型は全て1個1個カウントするのでせいぜい3~5個しか1秒間にカウントできません。ビジョンカウンター、カメラ式は1秒間に50個でも1,000個でもパーツによって可能です。フェライトビーズを1秒間に1,000個カウントした実績があります。カメラ式のパーツカウンター、GEN型とVC-200型は圧倒的なスピードを誇ります。

フェライトビーズを1秒間に1000個カウント

● 精度は?
全てのパーツカウンターで精度は100%ではありません。光センサ型で1個1個落としかないですが、パーツが重なったときは2個が1個となります。レーザ型、ビジョンカウンターカメラ式ともマイナスカウント防止のバイアスを持っています。それと自分の見た画像でしか判断できないため精度100%を達成できません。必ず誤差が発生します。

● パーツの供給方法は?
全てのパーツカウンターにとってパーツの供給方法がとても重要です。光やカメラの視野に「安定定量供給」出来なければ、どのカウンターもその能力を発揮できません。カウンターをフルに活用するには、必ず「安定定量供給」させないとなりません。

パーツカウンターへの供給方法

● ご予算は?
価格的には一番安いのが光センサ型です。その次に光膜型、レーザ型となり、カメラ式はそれなりに高価です。パーツの単価が低いと費用対効果を考えると、価格の低いカウンターを使用せざるを得ないです。100個で計30円となれば、計量機か光センサ型しかありません。パーツの単価がそれなりであれば、カメラ式のパーツカウンターでも十分元が取れると思います。特に作業員が1名半省力化できれば、1,000万でも合うと思います。
● 結局、何が最適なの?
これが一番悩ましいです。
* とにかく単価が低いパーツは何にしても光型です。それ以外は費用が合いません。
* 単価が安くとも、数が1万個や5万個、10万個となれば、量的カウントにはカメラ式のパーツカウンターが絶対的に有利です。
* 0.3㍉や0.5㍉等の微細なパーツのカウントは分解能が65.5ミクロンのカメラ式GEN型でないとできません。これが圧倒的な力を持っています。

*小指の爪以上大きさのパーツなら4台の振動フィーダー搭載VC-200型が最適です。
* パーツは何百、何千とあると思います。どのカウンターにしても実際に流してカウンテストトしてみないと分からないです。どう最適化するかが各々機械の性能を引き出すことと同義となります。

【まとめ】
パーツカウンターは被計数物の供給方法、機械の内部の構造の設計等でまったく異なっています。正直、最終的なご予算から出発して何をしたいのか。人で不足を補うのか、簡便さを重視するのか考えた方が早いです。そこがしっかりとしていれば、御社の現場に適したものを選ぶことが可能です。結局、パーツカウンターも計量機も最終的には現場の使用でカスタマイズしないと使えるような機械になりません。テレビや冷蔵庫をカタログから選ぶような装置ではありません。是非メーカーに相談してみて下さい。
次回は最先端のカメラ式のパーツカウンターをもっと詳しく解説します。

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